こんにちは
先日、遊戯王からとんでも無い商品がリリースされましたね。
その名も、TACTICAL-TRY DECKですが、税込1100円でデッキに必要なカードが3枚入っています。
・・・。
これまでシングルで1000円近くした汎用カードも複数枚搭載されています。
・・・。
デッキとして完成された形になっています。
・・・。
何かがおかしいですね。これで1100円です。
遊戯王のデッキ商品のイメージ
デッキとして販売する以上、このような形になっていなかったこれまでがおかしかったと言えば、全くもってその通りなのですが、今回の商品はあまりに痒いところに手が届きすぎています。
なんか売り上げやばいのかな?とか変な心配をしてしまうレベルです。
これまでにデッキとして販売された商品はたくさんありますが、到底デッキとは呼べない代物でした。
黎明期のキャラクターコンセプトデッキは、そのキャラが使っていたという設定の部分すら怪しい紙束でしたし、ようやく戦術に特化したストラクチャーデッキが発売されたと思ったら、3箱買い前提のようなデッキパーツの束であったり、なぜかデッキ発売日には絶版になっているカードが再録されていなかったり、結局汎用パーツが高くて敷居が高かったり・・・・
遊戯王は25周年とかなんとか言ってますが、これまでに、これひとつ買っておけばOKという商品はひとつもありませんでした。
ここ最近の商品の傾向
最近の遊戯王って、子供をはじめとする新規参入を狙っているというよりは、子供の頃からずっと着いてきてくれている大人をターゲットとしているように思います。
アニメが終わったものの、未だにブースターパックは1箱80種類ですが、その枠を埋めるのは”あの時のテーマ”の強化です。
また、需要の高そうなカードの排出率を絞る売り方から、高レアリティカードの排出率を絞る売り方に変わっている点からも、このことは伺えます。
それこそ、私が小中学生だったときは、デッキに必須となるようなカードはスーパーレアに指定されており、Boxあたり1/3という排出率でした。こうしてシングルで高額がとなったカードを再録するゴールドシリーズというのが年始に発売されるのですが、その時のレアリティはノーマルかゴールドレアの2択です。
その点最近は、再録パックでは、むしろレアリティの格上げが行われ、高レアリティの確率をグッと絞る、いわゆるレアリティ商法になっています。通常パックでもスーパー/ウルトラレアは、以前よりもたくさん排出されるようになった代わりに、同じカードでも格上のレアリティが現れ、最高レアリティに至ってはBoxに1枚すら保証されていません。
つまり、単純にカードを揃えるためであれば、たくさん商品を買う必要は無いわけです。それでも売上を見込めるということは、同じカードでも高いレアリティでなければ意味がないと考えるユーザーがたくさんいるという前提が成り立つと考えられている・・・現にそういった状況です。
紙のカードの価値とは
こうした変化の裏で登場したのが、マスターデュエルです。
カードゲームはデジタルの世界へと移っていったことで、これまでは現実でカードを揃えることでしか実現できなかった「僕の考えた最強デッキ」の実践が、より手軽なものとなりました。
デッキのテーマが「サイバー」「イビルツイン」「エルドリッチ」です。マスターデュエル勢をうまく取り込めそうですね。
こうした変化により、デッキを構築するために高額カードを買うというところから、デッキを美しく構築するために高額カードを買うというように、価値観が変わっていっています。少なくともメーカー側の意識はそのように変わってきていると言えるのではないでしょうか。
ノーマルカードをいわば公式プロキシのような扱いとすることで、デジタルとアナログの壁を低くし、レアリティ上げというお洒落を提供することで、商品を売っていくというプランがなんとなく見えてきます。
カード単体の強さだけで、レアリティを超越した値段が付く時代も終わりが来るのかもしれません。
おわりに
今回は、TACTICAL-TRY DECKから感じたことをまとめてみました。
本来、こういったこれ1つ買えばOKといった商品を望むのって誰でしょうか。カードゲームにお金をかけない層、つまり、初心者とくに子供です。
私が小中学生だった時に、こんな商品が出ていればなと。今ではそれほど魅力的に見えませんが、子供の頃の自分には相当魅力的な商品に見えていただろうなとは思います。
高レアリティでカードを揃えた時の満足感や、それでデッキを回す楽しさもよくわかります。むしろその辺りの際限がなくなるために、無理にでもカードから距離を置いた節もあるくらいです。
だからこそ、遊戯王で遊んでいる層って入れ替わってなくてそのまま持ち上がってるだけなんじゃないかという疑念すら湧いてきてしまいます。実際そうなら、コンテンツとしてはちょっとやばい気もしますが・・・。
いずれにしても、そう遠くない未来に何かしら大きな変化が見られそうだなと、勝手に思ってしまったので、目を見張っておきたいなと。
それでは