こんにちは
前回に引き続き、遊戯王OCG第8期のお話になります。
今回は主に環境で活躍したデッキの振り返りになりますが、時系列として下記の記事からつながる形となります。
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制限改定の影響
第7期の思い出話では、環境で活躍したデッキを書き出すような形で紹介しましたが、今回は変遷も見られるように改定の話も絡めていきます。
第7期最後のパックGALACTIC OVERLOADの発売が2012年2月、次の第8期第一弾が2012年4月の発売となり、この間の3月に制限改定がありました。
ここでの新禁止カードは「バルブ」「スポーア」「トリシューラ」「ダストシュート」、新制限は「アース」「TGストライカー」、準制限に当時未発売の「リボーン天狗」
と、汎用的なシンクロサポートと、流行していたTG代行天使が規制される結果となりました。
◯第7期以前のテーマ
次の改定である2012年9月改定まで、環境に残っていたテーマは下記のとおりです。
- 甲虫装機
- 聖刻(リチュア)
- ゼンマイ
- ヴェルズラギア
- ラヴァル
- HEROビート
- 暗黒界
- 六武衆
各テーマについては、第7期その3の記事にて記載しております。
2012/03-2012/09 新テーマ
トップメタに甲虫装機、対抗馬としてHEROビートの形を基本として、その移り変わりによりそれ以外のデッキのシェアが若干変動しているといった構図でした。そこへパックの発売により新たな勢力が加わります。
代償マシンガジェ
除去ガジェットの頃から、環境では姿を見せていて、前回の記事にも載せて良かったのですが環境トップクラスになるのがこの時期ということで、ここで紹介です。ストラクチャーデッキ「マシンギアトルーパーズ」にて、メインデッキのほとんどを揃えることができる他、「次元幽閉」「収縮」といった優秀な魔法罠も手に入れることができるため安く組むことができました。
「ガジェのいる環境は良環境」という言葉が残るほどには、長いこと顔を見せていたテーマとなります。ここにきてトップに躍り出た要因としては、やはりエクシーズでしょう。同じレベルを揃えるというシステムがそもそもガジェットとマッチしており、血の代償をうまく使える点でも他のメタビートと差別化できていました。
注目カード
- 血の代償
再録が多かったため、全然高いカードではありませんでした。 - ブリキンギョ
ターミナルで新規収録されていたカードです。ガジェットとギアギガントクロスを作り、ギアギガでまたブリキンギョをサーチという動きで、消費ゼロで23打点を作る流れで使われました。 - 色の支配者ショックルーラー
後の禁止カードです。素材指定のないレベル4*3というのは、当時基準では出すのが難しいという判断だったと思います。確かに先行1ターン目に安定して出せる程のものでも無かったですし、止められても3ターンで素材が尽きるため、止められてない種類のカードで凌ぐことは出来ていました。
マドルチェ
2パックに渡りそれなりの枚数収録されたテーマです。クィーンマドルチェティアラミスの除去性能と、アドバンテージの損失が起こりにくいデッキコンセプトにより、高いビート性能を有していました。
テーマの動きに関連するカードは直近で発売されたセットを買えば揃えられたテーマということで、過去のカードが突然高くなり揃えられないということはあまり起こりませんでした。そのため注目カードについては省略いたします。
アライブHERO
エクシーズ強化の流れを汲み、ビートよりも瞬間火力に重きを置いた型のHEROが流行り始めました。
これまでは「エアーマン+アナザーネオス」でビートしていましたが、「エアーマン+バブルマン」に変わり、連続エクシーズでワンキルを仕掛けるデッキとなったのです。
注目カード
- ヒーローアライブ
デッキの名前に組み込まれるキーカードですが、プレミアムパック産でということで高いカードではなかったです。パック自体も一般販売後は店頭で余るようなパックでした。 - マスクチェンジ / M HERO アシッド
こちらもプレミアムパックです。バブルマンがいるおかげで出しやすくなった「アブソルートゼロ」にマスクチェンジを当てることで、相手フィールドのカード全てを破壊することができます。後攻ワンキルだけでなく、相手の体制を崩しにいく動きからワンキルへ持っていけるというのも強いポイントでした。 - 機構忍者ブレードハート / H C エクスカリバー
ワンキルに使われる戦士族エクシーズです。両者共に単体で4000打点を確保でき、素材に戦士族を要求します。ブレードハート自体は第7期登場で、もとよりそれなりの値段でしたが、活躍が目立つようになると1000円を超えるようになっていきました。
ジェネクス海皇水精鱗
ストラクとパックの合わせ技テーマということで、一部を除いて揃えやすいデッキでした。その一部というのが・・・(注目カードにて)
注目カード
- ジェネクスウンディーネ
当時からしても、大分前に出たターミナルのカードです。第8期はクロニクルシリーズでターミナルの再録もありましたが、それもターミナルで発売されたので手に入りにくさは相変わらずです。ヒドゥンアーセナルみたいなのをいい加減販売しても良い気がします。1200円程度とメガロアビスが増えたみたいな値段でしたが、高い時で2000円近くすることもありました。 - ジェネクスコントローラー
当然ですね。レアで500円以上していました。 - ビッグアイ
メガロアビスがレベル7ということで注目されました。ヴァリュアブルブック14にショックルーラーと抱き合わせで入っていましたが、まぁ売ってませんでした。私は両方ともガジェに入れたくて、ダメ元で近所の本屋に入荷をお願いしたところ、2週間ほどで本が手に入りびっくりしたのを覚えています。
カオスドラゴン
デッキのカード自体は第7期で出揃っていますが、ドラゴンのストラク自体が2012年の12月に発売した後、13年3月のトリシューラ禁止が影響し、環境で活躍していた期間としてはこちらに分類されるイメージです。
新規カードとして得た「エクリプスワイバーン」をはじめとして、墓地に送られることで仕事ができるドラゴンが増えたことで、「未来融合フューチャーフュージョン」+「FGD」のコンビが注目されました。これによりものすごいスピードで墓地を肥やしながら、カオスモンスターの召喚条件を整え、召喚しながらレダメをサーチするなど、手数の暴力とも言えるデッキが完成しました。
一方で、忍者マスターHANZO、成金忍者、忍法超変化の術を加えた「忍者カオスドラゴン」も誕生しました。こちらは超変化による除去能力や、ランク4を組み込めるという強みがあり、上記のタイプに比べ爆発力と引き換えに高い安定性を得たデッキと言えます。
注目カード
- 未来融合 FGD
コンボの爆発力の割に、実は両方とも高騰するというようなことはありませんでした。次の項目で触れますが、未来融合はすぐに禁止カードとなり、このタイプのデッキ自体、暴れる前に抑止されたという印象です。
2012年9月改定
新たに「未来融合」「ブリューナク」が禁止指定されることで、ループ系統やカオスドラゴンの墓地肥やしギミックが規制される形となりました。
どちらかというと環境に大きく影響を与えたのは新制限・準制限の方で
「ダンセル」「ホーネット」「ガストクラーケ」「カオス・ソーサラー」「レダメ」「ゼンマイティ」「血の代償」が新たに制限カード化
「ツアーガイド」「レスキューラビット」「Eエマコ」「強欲で謙虚な壺」「召集の聖刻印」「ヒーローアライブ」が新たに準制限化しました。
まず目を引くのが甲虫装機への打撃です。これまで、いきなりダンセルから展開して2枚破壊4000打点でしたが、センチピードでダンセルをサーチするところからスタートするのが現実的となり、リソース不足はリビングデッドやリミット・リバースに頼る形となりました。
聖刻に関しても、レダメの制限化によりレダメ2体からのグスタフマックスが封じられ、トレミスで戻して打点に変換する等の使い方に変わっていきました。
ハンデス系についてもしっかりとメスが入り、聖刻リチュアやゼンマイハンデスはハンデスループに入るパーツを失う形となりました。
圧倒的な安定感を誇っていたHEROビートもサーチ札を減らされたことで、デッキの密度を失い、ワンキルに寄せたアライブ型も同様に弱体化しました。
そして、ブリューナクが禁止化されたことで、いよいよシンクロ勢力は影を潜めることとなります。インフェルニティでは「ダイガスタ・エメラル」と組み合わせることでのループに使われていました。トリシューラ禁止後はガンマンループとかしてましたね。
さて、このような形で既存テーマが弱体化されたことで、新勢力の立ち位置が相対的に良くなります。
次のパック発売までは、わかりやすいパワーを持っていた「ジェネクス海皇水精鱗」と、メタが刺さらない「代償マシンガジェ」がトップメタのような立ち位置に居ました。
甲虫装機が消えたことと、環境に上級モンスターを展開するデッキも増えてきたことで、オピオンのメタ性能が環境に与える影響が大きくなりラギアを搭載しないヴェルズが台頭、モンスター効果による処理に弱いオピオンを突破しやすい「プレアデス」を展開できるセイクリッドが勢力を拡大・・・など、各テーマのパワーが拮抗していたため、様々なデッキが特徴を活かせた環境と言えます。
2012/09-2013/03 新テーマ
炎星
Cosmo Blazerが発売!来月には獣戦士のデッキも発売!これは水精鱗のときと同じパターンですね!と思いきや・・・
このテーマ、レベル3軸、4軸、混合型など様々な型が作れる一見良いテーマなのですが、真っ先に環境トップとなった3軸のキーパーツのほとんどがプロモカードでして、Cosmo Blazer発売時点では入手が間に合いませんでした。
注目カード
- 炎星師ーチョウテン
週刊少年ジャンプの付録です。召喚時に守備力200の☆3炎属性を釣り上げる効果を持っており、デッキの初動となる重要なカードです。自身も守備力200で、真炎の爆発に対応していますね。シングル価格は高いときで1000円近くまでいっていたように記憶しています。 - 炎星侯ーホウシン
Vジャンプの付録です。☆6のシンクロで、先程のチョウテンからの召喚先です。シンクロ召喚時にデッキから☆3炎属性を特殊召喚と単純に強いことが書いてあります。このカードも1200円あたりまで上がっていました。 - 立炎星ートウケイ
Vジャンプの応募者全員サービスで手に入るプロモです。炎星の効果で特殊召喚されるとデッキから炎星をサーチする効果をもっており、先程のホウシンの効果で特殊召喚することで、再びチョウテンをサーチし次の準備ができます。
また、フィールド炎舞を墓地に送ってデッキから新たに炎舞をセットするという効果も持っており、モンスター・魔法罠共にテーマのカードにアクセスができるパワーカードです。当然価格もパワー増し増しで1600円前後でした。 - 炎星皇ーチョウライオ
最強ジャンプの付録です。こちらはランク3エクシーズになりますが、墓地の炎属性モンスターをサルベージする効果を持っています。サルベージ対象はそのターン使えなくなる制約があるため、ゲーム中盤でのリソース回復に使われました。上記の3種類と違って3枚必須のカードでは無かったのですが、800円くらいしていたと思います。
炎舞には、サーチの「天キ」召喚権を増やす「天枢」があり、これら注目カードとを総合的に使うことで、手札1枚から場に「ホウシン」「トウケイ」を展開しつつ、手札に好きな炎星を2枚サーチするといった動きまで可能でした。
まだ1枚のアドバンテージ差が大事というイメージがあった当時の感覚からすると、1枚が4枚くらいになっているので、初めて見た時には、これはすごいテーマが出たなと思ったのを今でも覚えています。
2013/02/16
征竜と魔導書の神判が登場です。
この翌月に制限改定がありますが、当然新テーマにはノータッチで、規制らしい規制と言えばゼンマイにメスが入るのみでした。
ここからは、御存知の通り、征竜・魔導のツートップと、その両方にメタを張れるヴェルズとで、3テーマ環境のような形となります。
征竜に関しては、徐々に強さや対応力の高さが認知されるかのようなシェアの広まり方だったように思います。どちらかというと魔導の方がわかりやすい強さを有していたことと、征竜の強さを引き上げていた”子征竜”は、同年4月までかけて配布パックで追加されたことが起因しています。
また、征竜の登場当初は最上級だけで固めてもデッキとして回らないといった意見もネット上では見られました。今思うと、竜の渓谷や霊廟などのサポートカードや、ドラグニティやガード・オブ・フレムベルのような相性の良いカードのバランスがテンプレートとして定まるまで少し時間がかかった印象もあります。
おわりに
今回は第8期前半の環境について振り返りました。
私の感覚では、第8期後半は、規制後の12征竜や8征竜を中心に、メタを張れるヴェルズ、ヴェルズなどの準トップに強い中堅・・・のような構図があったり、ゲームスピードも今ほど速くはなく、先行制圧も汎用的ではなく抜け道があるようなものでしたが、この征竜環境以降は当振り返りシリーズのような環境が訪れることはありませんでした。
9期に入ると、前半はアドバンテージの取り方が一段階パワーアップしたようなテーマ郡が登場、後半は展開力の基準が現代遊戯王のそれとなり、それ以降はそのままパワーインフレが進むような形となりました。その影響かわかりませんが、10期以降は、あるカテゴリカードを別のカテゴリカードと組み合わせることが難しいデザインに変わっていったようにも感じます。
閃刀やオルターガイスト、サンダードラゴンが環境を構成していた時期は、珍しくビート環境だったこともあり、久しぶりに大会に出たり当ブログでも環境を意識した記事を書いたりしていましたね。
オルフェゴールが先行7妨害するようになったあたりから、またメタを考えるのをやめ、それっきりなのですが・・・
最近は、TCGもしっかりできている方ではないのですが、また大会等に出ていくならシャドウバースエボルヴになるのかなぁといった感じです。
それでは